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レビア ヤークトのテーマ

Revier Jagtは2017年の7月から、狩猟に関する技術向上のための狩猟免許講習会や地域の鳥獣害問題の解決に関わる社会貢献活動などの取り組みを始めました。

現在、院生1名、学部生9名(3年生:6名、2年生:2名、1年生:1名)の計10名で、総合科学部の学生や医学部の学生と学部の壁を越えて一緒に活動しています。

サークルの名前であるレビア ヤークトとは、ドイツ語で「猟区」を意味します。
私たちは、このサークル活動を通じて狩猟や野生動物に関わるさまざまな人びとが交流をする場をつくりたいと考えています。

私たちも関与できる可能性があるし、そうする必要がある問題。

全国の過疎地域において、野生動物によるさまざまな被害が問題になっています。
そのなかでもイノシシの掘り起こし・踏み荒らしによる農業被害、シカの食害による森林被害(希少植物消失や林床植生の貧弱化)が深刻です。
野生鳥獣による農業被害は年間200億円を超えており、その内の半数以上がイノシシ・シカによる被害です。
シカによる食害の森林被害面積は全国で約6千ヘクタールにも及び、再造林や適切な森林整備の実施に支障を及ぼし、土壌流出等により森林の有する公益的機能の発揮に影響を与えています。

また、これまで野生動物の保全・管理に携わってきたハンター人口の高齢化・減少も深刻化している状態です。

野生鳥獣の被害が拡大している背景には、鳥獣の生息域の拡大とハンターの減少・高齢化、さらに農業被害の増加による営農意欲の低下から耕作放棄地が増加するという負のスパイラルに陥っている現状があります。
そうした過疎地域において、学部生の頃に経験した狩猟に関わる活動を通じて、私は一緒に活動に関わってきた学生や狩猟に興味を持ってくれた学生を集め、狩猟サークルを設立しました。

今までは、大学の授業を通じての活動が多かったのですが、サークルになってからは日本の過疎地域における人間と野生動物との関係に関する問題を「私たちも関与できる可能性があるし、そうする必要がある問題」として考えるようになったこともあり、学生が自律的に、狩猟を通じた学生の学びや地域との交流の場づくりを目的に活動していこうと考えています。

シカ肉を食べないなんてもったいない!

全国的にシカによる農作物被害が問題となり、それに対して駆除や防除といった形で対策がなされています。
対策しなければならなくなった背景には、シカの捕食者であるニホンオオカミが絶滅したことで、シカの個体数が増え生態系のバランスが少しずつ崩れてきていることにあります。

崩れつつある生態系のバランスを保つために、私たちはニホンオオカミに代わってシカを捕獲していかなければならないのです。

こうして今まで捕獲されてきたシカの多くは、利用されることなくただ駆除されるだけでした。
こういった状況を皆さんはどのように感じますか?

もし私たちが普段食べている牛・豚・鶏においてこういった状況が見られたなら、“せっかく食べられるし美味しいのに、捨てるなんてもったいない、かわいそうだ”と思うのではないでしょうか?

これはシカにおいても同じだと思います。
私たちが普段当たり前のように食べているお肉と同様に、シカを資源として活用することはできるのです。

またできるからこそ、駆除されるだけであった状況が“かわいそうで、もったいない”のです。
そのため、シカの駆除の次にシカ肉の有効活用を考えていく必要があるのです。

大学ブランドのジビエ商品の開発をします!

そこで、私たちは狩猟の六次産業化の中でもジビエ製品の創作に注目しました。
全国的にジビエ商品は販売されており、徳島県では、「徳島県シカ肉・イノシシ肉処理衛生管理ガイドライン」に則した処理加工施設で処理されたシカ肉等を「阿波地美栄」と称し、シカ肉等の普及と消費拡大に取り組んでいます。

そうしたジビエ製品は、比較的価格が高く、安価な鶏肉や豚肉等に比べ気軽に購入しやすいものではないと思います。
なぜ、個体数調整が進められる程のシカやイノシシの肉が高いのでしょうか?

それはシカやイノシシを捕獲後、加工者の手元に届くまでに食肉の単価が高くなっているからではないかと考えました。
まず、猟師がシカやイノシシを捕獲後、鮮度が落ちないうちに処理加工施設まで移動させます。
次に、処理加工施設がその獣を買い取り、解体していきます。
日によって持ち込まれるシカやイノシシの頭数が異なるため、多い時には複数の処理加工者が、鮮度が落ちないうちに素早く解体していきます。
こうして解体され食肉として販売されます。

徳島の自然で育った山の恵みに触れる

そこで私たちは、自分たちで実際に山に入り、ジビエ商品をできるだけ「低価格に、でも高品質で、徳島らしい商品」として売り出していきたいと考えました。
また、大学ブランドにすることで外部の方にも認知してもらいやすいと考えました。

こうすることで、よりジビエを知ってもらい、若者が六次産業化を担っていくための第一歩として、今回ジビエ商品作りに取り掛かりたいと思っています。