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この美味しさを知って欲しい:イタリア仕込みのジビエサラミの開発で、食べる鳥獣害対策へ

「おいしく、きれいで、ただしい」食を追求するイタリア

徳島大学総合科学部地域創生コース4年の北野真帆です。現在、狩猟サークルRevier Jagt(レビア ヤークト)の部長として、ジビエ商品開発・流通による野生鳥獣マネジメント支援活動しています。そのきっかけは、大学2年の時にジビエBBQを食べ、そのときにあまりの美味しさに驚いたことでした。

「こんな美味しいお肉が世の中にあったのか!」という衝撃。そして鳥獣害対策のために毎年多数のシカやイノシシ等の野生動物が捕獲されているが、その多くが利活用されずに捨てられているという衝撃。その時から、まったく馴染みのなかった鳥獣害問題の解決に向けて、自分たち学生ができることについて興味を持つようになりました。そのひとつが、捨てられているシカやイノシシの肉を、美味しいジビエ商品として開発・販売し、その収益を鳥獣害対策に還元するというものです。

私は、イタリア北部の田舎町ブラに本拠地をおき、「おいしい・きれい・ただしい」食を追求する国際NGO スローフード・インターナショナルや、サルディーニャ島の酪農家のもとでインターンをしていました(この時には、イタリアの他に韓国、ネパール、ケニアにも滞在し、合計約10ヶ月にわたって伝統的な食料生産システムについてのフィールドワークやインターンシップをおこなっていました)。

スローフード・インターナショナル本部がある、イタリア北部ピエモンテ州ブラの町並み

スローフードでは、安易な効率や資本の論理に屈せず、美味しく、環境にも配慮して、労働者も阻害しない食料生産を続けている多くの食料生産者に出会いました。ひとつひとつは小規模な経営体ですが、誇りと情熱をもって食料生産をしていました。

スローフードが主催するナチュラルチーズの祭典「CHEESE」の風景

そして、いまや国際的に連携して、発言力も持っています。学生のサークルという、とても小さな規模でも、「おいしく、きれいで、ただしい」食料生産をおこなうことで、鳥獣害問題という社会問題の解決に貢献できればと考えるようになりました。

サルディーニャ島の酪農家のもとでは、毎日ヒツジやブタの世話をして、チーズや肉製品を加工する生活をしていました。

サルディーニャ島の酪農家のもとで、チーズを作っている様子

ある日酪農家のオーナーに、日本のサークル活動のことを話したら、「イノシシならサルディーニャ島にもいるよ。サラミにしているから食べに行ってごらん」と薦められました。また、仕事が暇なときには、野生鳥獣を食べ慣れていない私のために、野生の鳥を料理してくれました。私たち日本人は、あまり野生鳥獣を食べる文化はありませんが、イタリアでは季節の食材として受けいれられています。野生の鳥のグリルやイノシシのサラミの味は絶品でした!それから私は、さらにスローフードのツテを頼って、イタリア北部のボローニャにあるジビエ・サラミ工場の視察もおこないました。

イタリアでは、ジビエを原材料としたものを含めた、
さまざまな食肉加工品が楽しまれている

イタリアでは、ハンターが捕獲したイノシシ肉の品質をとても厳格で明確な基準で選別し、クリアした個体だけを良い状態でジビエ加工工場に送るシステムができていました。そうやってつくられたイノシシ・サラミの味は絶品で、臭みなどまったくないにもかかわらず、味はブタよりずっと濃く、素晴らしいものでした。このように、日本でも高品質のイノシシ肉を加工した美味しいサラミを開発したいと思って、帰国しました。

徳島ジビエ meets 北海道

帰国後、私が部長をつとめる狩猟サークルRevier Jagtで、ジビエの味をしっかりと噛みしめて楽しんでいただける食べものとして、実際にイノシシ・サラミを開発してみようということになりました。日本でつくられるシカやイノシシの加工品は、どちらかと言えば「臭み消し」を目的とした香辛料などがたっぷり入った商品が多いように感じました。そうではなく、高品質のイノシシ肉を確保し、その旨味をそのままサラミにすることはできないだろうかと考えました。

ですが、食肉加工には国の厳しい規制があり、学生がつくることはできません。そして、私たち学生の要望にあわせた商品を作ってくれる食肉加工業者さんを見つけるのはとても大変なことでした。いろいろ探した末に、たどりついたのが、徳島県の阿波市で民間の野生獣肉加工施設「山里のめぐみ」を営む腕利きハンター・立石さんと、なんと北海道の十勝地方で小規模な食肉加工施設を営む浦上さんでした。徳島のイノシシを北海道でサラミに加工してもらうという大プロジェクトのスタートです!

神戸で開催されたスローフードのイベントで、ジビエ・ハムを販売する挑戦者

立石さんは、阿波市土成の山を隅々まで知り尽くした。腕利きの罠猟師さんです。私たちも何度か、立石さんの狩り場を見せていただきましたが、いつ・どこに・どういう大きさや性別のイノシシが現れるのか、すべて計算づくで罠を仕掛けています。数万年にわたって改良され、品質コントロールがしやすい家畜に比べて、野生動物の肉質には季節や性、年齢別のバラツキがあります。立石さんには、いま山にいるイノシシ一頭一頭の顔が見えているようで、いつも「おいしい」個体だけが罠にかかるように計算しています。

くくり罠の仕掛け方を教えてくれている立石さん

皆さんはイノシシが何を食べていると思いますか?耕作放棄地が多い徳島県阿波市のイノシシは、野菜・果物、そして山に豊富に実るドングリなどの木の実を餌にしています。とくにシャインマスカット、ビワ、カキ等の季節の果物を食べて育ったイノシシの肉は、臭みがなく、脂に甘みがありとても美味しいです。

猟師さんと自家消費用のイノシシ肉の解体処理をおこなう挑戦者

私たちはそれを、北海道の浦上ミートさんに持ち込み、サラミに加工していただきました。

浦上ミートさんで、試作品の開発打合せをしている挑戦者

それこそ日本中の食肉加工業者さんにお電話したのですが、浦上さんが気さくに話を聞いてくださったのです。そこで私たちは、クーラーボックスにシャインマスカット・イノシシを20kgつめて、その足で十勝地方に飛びました。浦上さんはご自身でもシカを加工した商品を作っていますが、北海道にはイノシシがいないので、現物をみて相談しながら試作品をつくりました。スパイスとともに塩蔵して、北海道の木で燻製して、約1ヶ月かけてできた製品が、サークルに送られてきました。試食すると…美味しい!!イタリアで食べたような、濃厚な肉の甘みや旨味が口に拡がります!この美味しさをぜひ多くのみなさんとシェアし、ジビエとは美味しいものだということを知っていただきたい。そして、みなさんにも「食べる野生動物マネジメント」に参加していただきたいと思いました。

浦上ミートさんで燻製にかけられるジビエサラミ

2種類のサラミの味わい

今回は、阿波市産イノシシのみを用いたイノシシ100%サラミと、阿波市産イノシシに豚の脂肪を加えたジビエサラミをご用意しました。顧問の内藤先生によれば、イノシシ100%サラミの味はとても濃く、とりわけフルボディの赤ワインなどと合わせて食べると、ワインに負けない力強い味わいが口の中に素晴らしくひろがります。

まさにイタリアのボローニャで食べた、本場のイノシシサラミに負けない美味しさです。豚の脂肪を加えたジビエサラミの方は、イノシシの味わいはそのままに、一般的なサラミのような仕上がりになっており、さまざまな種類のお酒や食事に合わせやすいと思います。今回は食べやすいジビエサラミを中心に、限定50個のみイノシシ100%サラミとの食べ比べセットをご用意しました。

注意していただきたいことは、イノシシ100%サラミとジビエサラミの消費期限が2021年9月4日と、ごく短いという点です。そのため、これらの商品の発送は、2021年8月15日(第一回商品発送〆切)と22日(第二回商品発送〆切)までにいただいたご注文に限定させていただきます。夏の暑い時期でもありますし、商品到着後は、消費期限をまたずに、なるべく早い時期に食べていただければ幸いです。第二回商品発送〆切(2021年8月22日)以降にいただいたご注文につきましては、クラウドファンディングが成功した際に製作する新商品を、2022年第一四半期頃にお送りする予定です。

原田さん(左)、三浦さん(中央)、北野さん(右)

私たちの想い

私たちの狩猟サークルRevier Jagt設立時の目的は、食を通じた鳥獣害問題の解決を目指すことです。ハンターが野生鳥獣を狩るだけでは、私たちが安心して食べられる商品にはなりません。野生鳥獣は、厳格な品質管理をおこない、衛生的な専門の解体所で処理した肉を加工することではじめて、私たちが安心して口にできる美味しいジビエになります。

野生鳥獣をジビエという<食べもの>に変換するプロセスに実際に関わることで、鳥獣害対策で捕獲され捨てられるだけの「もったいない命」を減らしたり、鳥獣害対策に関わる人々の収入向上に貢献することができればと考えています。そしてなにより、ジビエは正しく処理すれば、薬剤などが入っていない安心で、何より美味しい食べものであることを、みなさんとシェアできればと思っています。

私たちの様々な活動

私たちはこれまで、自分たちの目標を達成する為、様々な活動をおこなってきました。今回はその一部をご紹介します。

  • ジビエイベント・オンライン開催
    TOMODACHIアラムナイ地域フレームワーク関西・中国・四国地域「ウェルカム・イベント」:「ジビエ」を通して鳥獣害問題の実態について学ぶ (2020年6月13日、 10月26日、10月31日)
    このイベントでは、日米カウンシル関係者の方々と、日本の地域における鳥獣害問題やその解決に向けたこころみについて議論しました。そして、自分が食べたいものを自由に入れたジビエ・ソーセージづくりについてのワークショップをおこないました。
  • We Feed The Planet Japan ―地球を想う、おいしい選択会議― (2020年11月21日、22日)
    出展:ジビエ製品
    WS実施:「親子で作って学ぼう!―山からやってきたジビエのソーセージづくりワークショップー(2021年11月21日)
    日本スローフード協会主催のイベントで、浦上ミートさんに製作していただいた、シカの生ハム等の試作品を販売しました。また、親子でジビエソーセージをその場で作って食べるワークショップをおこないました。
  • 狩猟についてのオンライン勉強会(2021年7~8月)
    2020年から引き続き、新型コロナウイルスの影響で現地でのフィールドワークがしにくくなりました。現在、部員20名、新入部員が8名であり、1から学び始める学生が約3分の1を占めています。狩猟について1から知るために、徳島県の猟師さんや、ジビエ料理を提供する飲食店の方々にご協力いただき、狩猟勉強会を行っています。最終目標は、勉強会受講者が狩猟の事について知り、狩猟免許を取得することです。現在部員それぞれが知識を蓄えています。
  • 企業の方を交えたイノシシサラミ試食会(2021年7月8日)
    私たちの商品である、イノシシサラミを企業の方に食べていただき、その感想を率直にお伺いしました。感想の中には「脂がしつこくなくて全く臭みがない」という嬉しいご意見や、「ご飯と合いそう」などのご意見をいただき、イノシシサラミの新たな一面も発見することができました。

なぜ支援が必要なのか

今回、皆さまからいただいたご支援をもとに、次のジビエ商品の加工料に充てたいと考えております。今回の試作品の完成度は高いので、次回以降は本格的な商品生産に入りたいと考えております。

イノシシサラミが出来るまでには、多くの方のご協力が必要でした。イノシシ肉を提供してくださったハンターさん、美味しいサラミの開発の為に様々な要望に応えていただき、共に考えてくださった食肉加工場の方、そして、その商品を販売する為にデザインなどを考えてくださった方々。本当にたくさんのご協力をいただき、何度も試行錯誤した上で出来上がった商品になります。

スローフード・インターナショナル本部で、他のスタッフの方々と記念撮影

徳島発・ジビエサラミの美味しさを日本中に広めるために、みなさんのご協力をお願いいたします。

ジビエの美味しさをシェアしませんか?

このプロジェクトの発端は、大学生という立場から、人間と野生動物の関係に関する問題を「私たちの問題」として考え、解決にむけた活動がしたいという想いにあります。そしてなにより、ジビエは美味しい!ということを、日本中のみなさんとシェアしたいという想いがあります。

今回のシャインマスカット・イノシシを使ったイノシシサラミは、イタリアのサルディーニャ島やボローニャで食べられている本場のジビエサラミと比べても何の遜色もない味わいです。コロナ禍で気軽に海外旅行に出掛けることもかないませんが、しばし「イタリアの味」に触れてみませんか?

そして、「おいしく、きれいで、ただしい」食を追求することで、社会問題を解決する運動に参加してみませんか?みなさんにジビエ商品をご購入いただいた分だけ、ハンターさんや加工業者さんに利益が生まれます。食べる社会貢献の輪に入りましょう!

指導教員の内藤先生とともにローマのFAO本部を訪れ、発表をした挑戦者

応援メッセージいただきました!

ジビエサラミの感想いただきました!

食べて応援

クラウドファンディングを始めます(2021年8月6日~9月30日)。是非ご協力ください。