【We feed the planet 2022にお立ち寄りいただいた皆様へ!】四国の後発酵茶について

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We feed the planet 2022での出店が、無事に終わりました!
徳島大学狩猟サークルのブースにお立ち寄りいただいたみなさま、本当にありがとうございました。
全国から集まった生産者の方々や、持続可能な「おいしい」食に興味を持たれている方々とお話しすることで、たくさんの学びがある2日間でした。
去年立ち寄ってくださり、今年リピート買いしてくれた方がいらっしゃったのも、とっても嬉しかったです。
今回は「無添加」にこだわった商品をつくりました。みなさんからの反応を楽しみにしております!

今回の出店では、四国の後発酵茶も販売しました!
狩猟サークルの顧問である内藤直樹先生の研究室では「四国における番茶の生産・流通・消費に関する広域調査と保全」に取り組まれています。狩猟サークルのメンバー・ゼミ生の三浦さんを中心に、内藤研究室では耕作放棄地を茶畑にするプロジェクトを行いました。そして、Kamikatsu-TeaMateの百野さんにご指導いただきながら、阿波番茶をつくりました。

お茶の葉をゆでる様子

できあがった阿波番茶とともに、四国にある後発酵茶を集めて、四国の後発酵茶文化について皆さんとシェアしたいと考えました。そして、実現したのが阿波番茶・石鎚黒茶・碁石茶の飲み比べです!

後発酵茶とは?

後発酵茶とは、摘んだ茶葉を加熱した後に、乳酸菌などの微生物により発酵させたお茶のことです。
日本では4つしかない貴重な後発酵茶のうち、3つが四国にあるのです。
それが、徳島県上勝で作られる阿波晩茶、愛媛県の石鎚山の麓で作られる石鎚黒茶、高知県の大豊町(四国のほぼ真ん中)で作られる碁石茶です。残りのひとつは、富山県の朝日町で作られるバタバタ茶です。
※お茶の種類と作り方について(参考):古賀茶業(株)
※日本の後発酵茶に関する微生物の研究:「さがせ、菌の「お国自慢」 いま地産微生物が熱い!」(産総研:堀江祐範さん)

このたび、お茶を仕入れさせていただいた方々についてご紹介したいと思います。

①阿波晩茶をつくっているKamikastu-TeaMateの百野さん

百野さんは阿波晩茶の生産者でありながら、上勝で阿波晩茶を生産している方々の味の違いに焦点を当てたお店を営んでいます。各家庭により、茶葉をつけ込む時期や期間、製造を行う場所の違いなどによって、阿波晩茶の風味や味が変化するそう。その違いを楽しんでほしい!と、生産者ごとの飲み比べ商品などを販売。

Kamikatsu-TeaMateでは、自社製造の茶葉はもちろん、上勝町で阿波晩茶作りに励む同じ茶葉農家の方の茶葉も取り扱っております。阿波晩茶の茶葉は同じ種類でも生産者によって味が異なります。Kamikatsu-TeaMateでは茶葉を混ぜる事無く一人の生産者ごとにパッケージングし、お客様へお届け致します。もちろん、パッケージには生産者の名前を表記しております。一人の生産者の味を楽しむも良し、他の生産者の味を楽しみながら自分に一番合う茶葉を探すも良し。阿波晩茶には様々な楽しみ方がございます。

「生産者のこだわり」Kamikatsu-TeaMate HPより

百野さんのKamikatsu-TeaMateはこちらから!

百野さんと阿波晩茶のPR方法を考えている様子

②石鎚黒茶をつくっている就労継続支援B型事業所 Visee(美瀬)さん

石鎚黒茶は、江戸~明治~大正期に盛んに生産が行われていました。しかし、次第に生産者は減少し、平成に入ってからは一軒のみが自家用にその生産を継続する状況となりました。その後「地域の貴重な食文化を消すまい」と、十数年前から地元小松地域の生活研究グループにより生産の継承が行われ、のちに就労継続支援B型事業所 Visee(美瀬)さんも石鎚黒茶の生産・伝承の取り組みをはじめました。

Viseeさんは、最後の生産者であった方のお宅で石鎚黒茶の生産を行っています。
2020年7月に、わたしたちは石鎚黒茶の生産工程を学びにお邪魔させていただきました。
印象的だったのは、糸状菌(一般的にはカビと呼ばれる)による一次発酵が終わったあとでした。
一次発酵が終わった茶葉を木箱から出す際に、黒い土埃のように一瞬舞い上がるのです。
(ぜひみなさんとこの感動を共有したい、、、)

Viseeさんの石鎚黒茶はこちらから!

②碁石茶を販売している丸一横山商店さん

碁石茶は元々、大豊町では各農家が生産し瀬戸内地方へ茶粥用のお茶として販売していたものです。
瀬戸内地方は昔、井戸の水が塩辛く、お米を水で炊くとあまり美味しくなかったそうです。そして、碁石茶をつかって、茶粥にして食べられていたそう。こちらで販売されているのは、北村永夫氏が製造された碁石茶です。

何名かの生産者の碁石茶の味を知っていますが、製法は同じでも味はそれぞれ違っています。
北村永夫製造の碁石茶は2度発酵させて、他の碁石茶と比べますと飲みやすいのが特徴です。

丸一横山商店

丸一横山商店さんの碁石茶はこちらから!

四国のおもしろい後発酵茶文化

徳島で学生生活を送っていると、四国山地をはじめとするフィールドに出られる機会が多々ありました。
鳥獣害問題も、フィールドにでて出会った問題意識のひとつです。
内藤研究室では、来年度から本格的に四国のおもしろい後発酵茶に関する研究プロジェクトが始動します。
四国の後発酵茶に関する研究経過についても、発信できるように頑張っていきます!
「食べるお茶」のエスノグラフィ:四国における番茶の生産・流通・消費に関する広域調査と保全(味の素食の文化センター助成)